<あらすじ>
とにかく彼女たちは疲れていた
知らない時代の、遠い世界の話。大きな戦争があって、その混乱がやっとおさまりそうな頃のこと。
三人姉妹の父が死んだ。母は早くに亡くしていたから、彼女たちはついに自分たちで生活していかなければならなくなった。ところが途方に暮れる間もなく彼女たちは町を追放されてしまう。
彼女たち一家は異邦人だった。亡き父は自分が死ねば娘たちが町を追放されることを予想していて、そうなれば故郷を目指すほかないことを娘たちに告げていた。そのことばにしたがって彼女たちは故郷を目指すことにする。それは海を越えた向こうにある「東」とよばれるところだ。ろくに荷造りもできないままに町を出た三人姉妹は、これも父が生前言ったように、叔父をたずねて故郷へ帰るための援助を得ようと思っていた。叔父の住む村は荒野のただ中にポツンとあった。三人姉妹はひたすら歩いた。
やっとのことで村にたどり着いたが、しかし父に教えられていた住所は間違っていた。そこはただの他人の家で彼女たちは途方に暮れる。そこへ一人の女性が現れた。彼女は自分もまた姉妹の一人なのだと言う。しかし三人姉妹は誰も彼女のことを覚えていなかった。
とにかく彼女たちは疲れていた。戦争の混乱を生き抜いてやっと落ち着いたと思ったら父を亡くし旅に出なければならなくなる。叔父は見つからない。知らない女が現れる。そして港はまだまだ遠い。


