
20年後の日本。憲法が改正されて、自衛隊は自衛軍となり、海外派兵される時代。在日コリアンの料理店が舞台となり、生き辛い人々の、それでも幸せになろうともがく様を描く作品。
「20年後はこうなって欲しくない」と思って脚本を書き進めたという岩崎さん。折りしも、まもなく参議院選挙。年金問題が大きな争点となっていますが、この問題が起こる前までは、憲法改正についても大きな論点となるはずでした(いや、今でもそうなんですけども)。
もちろん、ある主義・主張だけを提示するのが演劇ではないと思います。それは演説です。岩崎さんがある方に「演劇でこういうことを言わなければならない時代になったのか」と言われたとおっしゃっていましたが、あくまでも演劇は芸術作品。作者の主張はあってしかるべきだけれども、それを観る人それぞれが、様々な視点で語れるのが、優れた芸術作品ではないかと思います。今回の「越境する蝸牛」も、ある主張を貫きながらも、描いているのは、社会に振り回される人々の心。それをどう観るのか、は、観客に委ねられています。
7月1日(土)ソワレ終演後には、アフタートークが行われました。

ゲストは、西鉄ホールの中村絵里子さん。
劇団太陽族は、精華での公演の後、西鉄ホール、三重県文化会館と巡演します。中村さんは、大阪の劇場での仕事もされていた方で、劇団太陽族とは長いお付き合いだそう。
「当時とは作風が代わってきた」と中村さん。いわゆる“静かな演劇”と趣が変わってきた? 「関係性だけを描くことに、演劇としての限界を感じてきた」と岩崎さん。また、劇団太陽族は“三世代劇団”。最高齢の南勝さんは60歳代。岩崎さんは40歳代。一番若い劇団員は20歳代。「世代によって価値観が違うので共有が大変。でも、だからこそ面白い」。劇団や作品のことなど、興味深い話題満載のアフタートークでした。


